編み物には、ほかの手仕事にあまりない時間の使い方があります。着るものと、編むものの季節が、一致しなくてもいいことです。
作品は完成するまでに時間がかかります。だから、まだ夏の服を着ている時期に次の季節のものを編み始めても、早すぎることはありません。むしろ、その時間差こそが編み物の自由なところです。
とはいえ、ウール100%の糸を今すぐ手に取るのは、気持ちの上でなかなか大変です。そこで間を埋めてくれるのが、コットンとウールを組み合わせた糸になります。
ローワンのコットンウールは、コットン60%にウール40%。指先に触れる感じはコットンに近く、それでいてウールの毛羽が編み地に静かな奥行きを残します。夏の糸から冬の糸へ、一足飛びに移らなくていい。その途中に置いておける素材です。
色は12色。どれも主張の強くない色合いなので、次の季節の作品を選ぶ入口としてちょうどよいはずです。
まだ着ない季節のものを、今から少しずつ。編み物にだけ許された、ぜいたくな時間の使い方です。
決めるのは、色ひとつからで大丈夫です。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














