ウールについて
ウール素材の毛糸は、その温かさ、柔軟性、そして耐久性から、手編み作品を作るための最も一般的な素材の一つです。しかし、すべてのウール毛糸が同じではないため、特定の作品に最適なものを選ぶことが重要です。以下に、ウール素材の毛糸の特徴と選び方について詳しく解説します。
ウール素材の毛糸の特徴
ウールは自然界から得られる素材で羊から取られます。一口に羊と言っても様々な種類の羊が飼育されていて、それぞれが独自の特性を持っているため、製品の最終的な質感や用途に大きな影響を与えます。
保温性:ウールは非常に良い保温材で、冬季の編み物に最適です。自然な断熱体であり、体温を保持するのに優れています。
弾力性:ウールは柔軟性があり、糸が織物に適応する能力を持っています。これにより、ウール製品は長持ちし、形状を保ちやすいです。
吸湿性:ウールは湿気を吸収し、体を乾燥させる能力があります。これにより、汗をかいてもウール製品は快適さを保ちます。
耐久性:正しく手入れすれば、ウール製品は非常に長持ちします。耐久性が高いので、家族世代を通じて受け継がれることもあります。
ウール素材の毛糸の選び方
作品の種類によって、最適なウール毛糸の選び方は変わります。以下の要素を考慮に入れて選んでください。
質感 靴下であれば一般的なウールで十分ですが、自然素材の中でもウール繊維は比較的太いため、直接肌にあたるとちくちく感を感じることがあります。ですから、肌にあたるような作品を編む場合には、柔らかで繊細なメリノやスーパーファインメリノをお勧めします。
混紡ウール100%だけでなく、ウールに様々な素材を混紡した毛糸があります。たとえば、ソックヤーンであれば強度を増すためにナイロンを混紡するのが一般的ですし、シルクやアルパカを混紡して質感や肌触りを向上させた毛糸もあります。編む作品の用途や肌触りの好みで選ぶと良いでしょう。
太さ 編むアイテムの種類により、細い糸から太い糸まで、必要な毛糸の太さが変わります。例えば、細い毛糸は細かいパターンのあるアイテムに、太い毛糸はざっくりとした編み物に適しています。
染色単色と段染め毛糸がありますが、もしあなたが模様編みをするのであれば、単色毛糸をお勧めします。段染め毛糸で模様編みをした場合、せっかくの模様が目立たなくなってしまうことがりますので注意が必要です。
撚り同じ太さでも、シングルプライ(撚っていない毛糸)から複数の糸を撚り合わせた毛糸まで撚り数は様々です。一般的に言って、撚り数が多く撚りが強いと編地の表面がはっきりとするので模様編みの模様が際立って見えます、他方、シングルプライ毛糸ではとても柔らかで優しい表情の編地になります。
最後に、特定の作品に適したウール素材の毛糸を選ぶためには、作成するアイテムの種類、そして予算を考慮することが重要です。選択肢を理解し、最適なウール毛糸を選ぶことで、満足度の高い手編み作品を作ることができます。
【店長細野淳一の一言アドバイス】
ウール毛糸を購入するなら、ずばりウールの種類に注意してください。一言でウールと言ってもその種類は多種多様です。たとえば、一般的なソックヤーンに使われているウールは繊維が太いため、肌に直接あたるとチクチクしますから、マフラーやネックウォーマーなどにはまったく適していません。もし、あなたが敏感肌だったり大切な人へのプレゼント用であれば、通常のウールは避けて、メリノ、エクストラファインメリノ、スーパー(ウルトラ)ファインメリノなど、メリノ種のウールを選んでください。別の選択肢として、ウールにシルクやアルパカなどの繊細な繊維が混紡されたウール混毛糸もウールの欠点を克服してくれます。ウールは、天然素材だからといって決して柔らかで肌に優しい素材ではないことをぜひ覚えておいてください。