やわらかい毛糸のお話になると、「着たときに気持ちがいい」という言い方をよく耳にします。けれど、ノヴィータのヘレーネのご注文を眺めていて、少し違う見方に気づきました。
なないろ毛糸では、この糸を同じ色で9玉とまとめてお求めになる方がいらっしゃいます。ヘレーネは1玉でおよそ200メートル。9玉をつなげると、およそ1,800メートルになります。編み上がるまでに、その長さがぜんぶ、編む人の指の間を通っていくのです。
着る人が触れるのは、できあがってから。その前に、いちばん長く、いちばん近くで糸に触れているのは、編んでいる人の指です。
ヘレーネは、メリノの中でもとりわけ細いエクストラファインメリノに、シルクとモヘヤを合わせた糸です。ノヴィータのためにセーターをデザインしたドイツのヨハンナさんは、針の上をなめらかにすべり、編み上がると思っていたよりやわらかく、つやがあったと話しています。いちばん難しかったのは色選びだったそうです。
長いあいだ指もとにある色を、まずはゆっくりと。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














