無地の毛糸を選ぶとき、編み上がった作品が平らに見えてしまうことがあります。かといって段染めの糸を選ぶと、色の動きが模様や形と競い合ってしまう。その間を探している方は少なくないと思います。
ウエストヨークシャースピナーズのエレメンツ DK は、その間に位置する糸です。糸玉の状態では、ごく落ち着いた単色に見えます。ところが接写で見ると、糸の表面に明るい部分と沈んだ部分があり、光が一様に返ってきません。
この表情は、メリヤス編みの編み地にもそのまま残ります。無地の落ち着きは保ちながら、目の面に細かな濃淡が現れる。色柄を足したのではなく、素材そのものが表情を作っている編み地です。
使われているのは、テンセル リヨセルとフォークランドウール。ナイロンやアクリルを加えて艶を出した糸ではありません。テンセル リヨセルは木を原料にした繊維で、製造に使う水や溶剤を回収し、再利用する方法が採られています。
糸玉だけを見て判断せず、編み地の写真と並べてご覧ください。
糸玉だけでは分からない表情があります。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














