ランタンムーンという名前を見て、「きれいな名前ね」とぽつりとつぶやいた人がいました。手にしていたのは、届いたばかりの黒い編み針です。そのまま編み始め、しばらくして「なんだかうまくなった気がする」と言いました。その言葉が、ずっと印象に残っています。
道具を変えただけで、そんなふうに感じることがあるのかと思いましたが、手元を見ていると少しずつ理由が見えてきます。糸の動きが安定していて、無理に引かなくても目が揃っていくこと。手に余計な力が入らず、自然な流れで編み進められること。さらに、針同士が触れても音が立たず、静かな時間が続いていくこと。
黒檀で作られた編み針は、滑りすぎず止まりすぎず、糸との距離がちょうどよく保たれます。その小さな違いの積み重ねが、「今日は調子がいい」と感じる編み心地につながっているのかもしれません。
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執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














