ドイツには、アインホルン アポテーケという名前の薬局がたくさんあります。アインホルンはドイツ語でユニコーンのこと。日本語にすると「ユニコーン薬局」です。
17世紀から18世紀のヨーロッパでは、ユニコーンの角を削った粉が薬として売られ、同じ重さの金の何倍もの値がついたと伝えられています。薬局がこの名前を掲げたのは、貴重な品を扱う店だという目印でもあったようです。
ところがその角の正体は、北の海にすむイッカクという鯨の長い歯でした。根元から先まで、らせん状にねじれた形をしています。
ドイツの編み針メーカー、アディのユニコーン輪針は、やさしいピンクのコードで知られる輪針です。けれど名前の由来がいちばんよく表れているのは、左右の針先のねじれのほう。アディは、このらせんが編む手をマッサージするように当たると説明しています。針先は丸みのあるベーシックと、細くとがったレースの2種類から選べます。
昔は金と比べられた形が、いまは編み物の手元にあります。
ピンクのコードと、ねじれた針先を見比べてみてください。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














