編み物をしていると、家族から声をかけられる場面は意外と多いものです。そのとき、思わず「ちょっと待って」と返してしまったことはないでしょうか。
返事をしたい気持ちはあるのに、顔を上げたとたん、何段目まで編んだかが頭から抜けてしまう。だから、まずは心の中で数字を唱えて守る。素っ気なく聞こえるあのひと言は、編み地を守るための精いっぱいなのだと思います。
紙に正の字を書いたり、編み図に印をつけたり、段数の守り方は人それぞれです。そのやり方のひとつに、段数カウンターがあります。
ニットプロのひすい色カウンターは、1段編み終えるごとに上のボタンを押すと数字がひとつ進む、電池のいらない機械式のカウンターです。数字が大きく表示されるので、呼ばれて手元に戻ったときにも、どこまで編んだかが目に入りやすい作りです。コットンの巾着袋も付いています。
段数を覚えておく役目を道具に預けておけば、呼ばれたときに「なあに」と顔を上げられます。編み物の時間と家族の時間を、同じ部屋のまま続けていくための道具です。
次に呼ばれたとき、「ちょっと待って」の代わりに。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














