手編みの靴下は、履いてこそ本領を発揮します。かかとの丸み、甲に入れた模様、足首の締まり具合。どれも足が入ってはじめて、意図したとおりの形になります。
ところが人に贈るときだけは、この順番が逆になります。相手が最初に目にするのは、まだ誰の足にも履かれていない靴下です。しかも、渡すときはたいていたたまれています。平らに置かれた状態で、編み目も模様も判断されることになります。
ソックブロッカーは、洗った靴下をその板に履かせたまま乾かすための道具です。足の形に近い板が中に入ることで、編み地が本来の張り具合に落ち着きます。外したあとは模様が読み取りやすくなり、左右の大きさもそろいます。
もともとは、作品を撮影したり展示したりするときに使われてきた道具でもあります。誰かに見せることを前提とした仕上げ、と言い換えてもいいかもしれません。
編み上がった靴下を、そのまま袋に入れる前に。もうひと晩だけ、板の上で過ごしてもらう方法があります。
渡す前に、一度履かせてあげてください。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














