編んでいる途中で、なぜか手が止まる。そんな経験はありませんか。
調子よく進んでいたのに、ある場所まで来るとふいに引っかかる。目が引き締まる。手元で小さくつまずく。針先は悪くないはずなのに、と思いながら、また同じところで止まる。
不思議なもので、その止まる場所は、たいてい決まっています。針先のすぐ後ろ、針と糸をつなぐ接合部です。
針先がどれだけよくても、そこで目が一瞬止まれば、手はちゃんと覚えています。一段のうちに何度も通る場所ですから、小さな引っかかりでも、積み重なると編む時間そのものの心地が変わってしまいます。ケーブルがねじれて暴れれば、なだめるだけで気が散る。長い作品ほど、その回数は増えていきます。
チャオグー レッドレースを手に取ると、まず接合部の通りのよさに気づきます。針先からケーブルへ、段差を感じさせずに目が流れていく。派手な一本ではありません。けれど何本も試した人ほど、最後にここへ戻ってくる。止まる場所がなくなると、作品そのものに意識を戻せるからです。
その引っかかりの正体を、一度確かめてみてください。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














