毛糸の名前に「ベビー」とついていると、つい赤ちゃん用だと思ってしまいます。やわらかくて、淡い色で、小さな帽子や靴下になる糸。そういう棚に並ぶものだと、なんとなく決めている方は多いのではないでしょうか。
プロラナのベビーコットンも、その名前を持つ一本です。けれど玉を手にとってみると、赤ちゃんのためだけにしておくのは、少しもったいない糸だと感じます。
理由は、その作られ方にあります。赤ちゃんの肌に触れることを考えて作られた糸は、それだけ肌あたりに気を配ってあるということ。その心地よさは、大人が夏に編むものにこそ生きてきます。首もとにかけるもの、腕を通すもの、肩にのせるもの。汗ばむ季節に肌へ近づく作品ほど、やわらかい糸であってほしいからです。
素材は百パーセントのオーガニックコットン。合太の太さで、編んでいて手の中が軽く、夏の指先にまとわりつきません。ウールのように熱がこもらないので、これからの季節にちょうどいい糸です。
色は三十色。赤ちゃんを思わせる淡い色から、深いネイビー、夏の影のようなカーキ、すっと濃いベリーまで揃います。淡い色から選んでもいいですし、自分に似合う色から作品を考えはじめるのも楽しいものです。
「ベビー」という名前は、用途を狭めるためのものではありません。肌に触れるものへ安心して選べる、その入口なのだと思います。今年の夏は、自分のために一玉、選んでみてはいかがでしょうか。
好きな色を一つ選ぶ。夏の編みものは、そこから始まります。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














