段染め糸を玉のまま手に取ると、たいてい一番強い色が目に飛び込んできます。赤やオレンジといった明るい色は面積が小さくても主張するので、玉の段階ではそこばかりが見えてしまうのです。
ところが同じ糸をウェアに編むと、印象がずいぶん変わります。身頃という広い面積に出てくるのは、玉の中では端のほうにいた淡い黄色やブルーグレー。強かった赤は袖や裾に分かれて、全体の中では夏の差し色くらいの存在に落ち着きます。
これが、段染め糸を「玉」だけで選ぶと予想が外れやすい理由です。色そのものは変わらなくても、どの色がどれだけの面積を占めるかで、見え方は大きく動きます。
だから着用写真は、ただのきれいな一枚ではなく、色の出方を確かめるための資料になります。胸もとから裾へ、色がどう流れていくのか。それを先に見ておくと、夏のウェアとしての姿がぐっと想像しやすくなります。
玉の赤に惹かれた方こそ、ぜひ着た姿で確かめてみてください。
着た姿で、もう一度この色に会ってみる。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














