毛糸を選ぶとき、私たちはたいてい、色や太さ、肌ざわり、編みやすさを基準にしています。たくさん編んでこられた方ほど、その目は確かで、失敗のない一本を選べるようになります。
けれど、ときどきこんなことはないでしょうか。きれいに編めた。仕上がりも悪くない。なのに、どこか予想どおりで、少し物足りない。
アイスランドに、ロピと呼ばれる毛糸があります。この糸のおもしろさは、編みやすさや扱いやすさだけでは測れないところにあります。糸のしまり具合、太さ、空気をふくんだふくらみ。ふだんの毛糸選びでは脇に置かれがちなものが、そのまま作品の表情になって出てくるのです。
同じ模様を編んでも、糸が変われば編地の顔つきが変わります。軽やかに仕上がるものもあれば、ふっくらと存在感が出るものもある。色の入り方ひとつで、見え方もぐっと変わります。
つまりロピは、「どんな作品にしたいか」だけでなく、「どんな編地にしたいか」から選べる毛糸です。ほとんど撚られていない、空気をまとったような糸もあれば、ふだんの糸に近い編み心地のものもあります。
予想どおりの、その少し先へ。いつもの一本と、見比べてみるところから始めてみてください。
いつもの一本と、見比べてみるところから。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














