編み物の世界は、少しだけ季節の進み方が違います。
これから夏を迎えるという時期ですが、毛糸メーカーではすでに秋冬シーズンの新商品が発表され始めています。まだ半袖の季節なのに秋冬物の話をするのは不思議な気もしますが、毎年この時期になると次のシーズンの流れが少しずつ見えてきます。
今年、特に目を引くのが太い糸の存在です。
ここ数年、ヨーロッパでは太めの糸を使った作品を目にする機会が増えてきました。細い糸を丁寧に編む楽しさとは異なり、太い糸には編み地が育つ様子を早く楽しめる魅力があります。完成形が見えてくるまでの時間が短く、色や模様の変化もよりはっきり感じられます。
そんな流れの中で登場したのが、プロラナの新商品「ファンタジア」です。
プロラナは色彩豊かな段染め糸を得意とするメーカーですが、ファンタジアもその個性がしっかり表れています。やさしく色が変化するというよりも、編み進めるごとに景色が変わっていくような大胆な色の移ろいが特徴です。
セーターやカーディガンでは作品全体に豊かな表情が生まれます。ショールや帽子などの小物でも、編み込みをしなくても印象的な仕上がりを楽しめそうです。
素材はウール90%、ナイロン10%。
チェーン構造の糸になっており、しっかりした太さがありながら軽やかさも感じられる作りです。ナイロンは耐久性だけでなく、糸の構造を支える役割も担っていると考えられます。そのため、太い糸でありながら扱いやすさにも配慮された設計になっています。
今年の秋冬はどんな毛糸が人気になるのだろう。そんな視点で新商品を見るのも編み物の楽しみのひとつです。
まずはファンタジアの色の移り変わりをご覧ください。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)
















