編み物の道具は、手になじんで存在を忘れるくらいが好まれます。けれど目数リングだけは、少し事情が違うようです。目印は、目に入ってはじめて目印になるものだからです。
チャオグーのステッチマーカーは、メーカーからの説明がほとんどない、とてもシンプルな樹脂製のリングです。それでも海の向こうの毛糸屋さんの棚に当たり前のように並び、編む人たちのあいだで話題にのぼります。
声を拾ってみると、好き嫌いははっきり分かれます。太い、重たいと感じて使わない人もいれば、いつも使っていて大好きだという人もいます。面白いのは、使わない人まで、まず「飴玉みたい」と見た目を口にすることです。
家事の合間に手を止めて、編みかけに戻ってきたとき。増し目の位置や模様の始まりを、頭が思い出すより先に目が見つけてくれます。太めの毛糸で大きなものを編む方には手放せないという声もあり、編み地がたっぷりしてくるこれからの季節に頼りになる目印です。
編みかけの上で、いちばん先に目が合う目印です。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














