編み針を手にしている時間は長いのに、針そのものを見ている時間は、そう長くありません。編んでいるあいだ、目が向いているのは編み地のほうです。
針をきちんと見るのは、これから編もうと道具箱を開けたとき。長さや号数を選んで取り出すとき。手を止めて、編みかけを膝に置いたとき。ほんの数秒ずつですが、これが毎日積み重なります。
道具を選ぶとき、使い心地だけで決める方法があります。見た目だけで決める方法もあります。ただ、見た目だけで選んだ道具は、使いにくければ手が離れていきます。反対に、使い勝手はいいのに、取り出すたび気分が動かない道具も、やはり長くは続きません。
ニットプロのジャドール・キュービックスは、深いラベンダー色をした木製の針です。軸の断面は四角になっています。5本針、輪針、付け替え式と揃っているので、気に入ったら少しずつ広げていけます。
どちらも諦めない、という選び方があります。
手に取るところから、道具との時間は始まっています。
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執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














