段染めの糸には、単色にはない楽しさがあります。編み進めるうちに色が移り変わり、複雑な編み方をしなくても作品に表情が生まれます。
ただ、ひとつ気を使う場面があります。左右対称のものを編むときです。
フードやカーディガンの前身頃のように、左と右が対になるかたち。ここで色の出る位置がずれると、編み目はきちんと揃っているのに、全体を見たときにちぐはぐな印象になってしまいます。段染め糸でウェアを編むのをためらう理由の多くは、ここにあるのではないでしょうか。
多くの段染め糸は、手染めや不規則な染め分けで作られています。同じ色番でも、玉によって色の出る順番や長さが変わります。それが魅力でもあるのですが、左右をそろえたいときには扱いが難しくなります。
これに対して、一玉の端から端まで、どの色がどの順番でどれだけ出るかをメーカーが設計している糸があります。プロラナの1-2-3 イデーン メリノです。同じ色番であれば、どの玉も同じ流れで色が変わります。
つまり、左を編んだときに出た色が、右を編むときにも同じ位置で出てくるということです。左右対称のかたちでも、色を対にして配置できます。
プチニットのソフィーフードは、もともと単色で編むパターンです。これを段染め糸で編むと、単色では出せない色の流れが顔まわりを囲みます。左右がきちんと対になっていれば、その効果はさらに際立ちます。
段染め糸でウェアに挑戦してみたい方は、色の出方が決まっている糸という選択肢を覚えておいてください。
あとは、どの色を選ぶかだけです。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














