毛糸の色には、たいてい番号がついています。3151、5111、7111。管理のための記号ですから、覚えられなくて当然です。店頭で「あの赤いやつ」と言われることになるのも、無理はありません。
フィンランドのノヴィータが作るナッレ ケサは、5色すべてに名前がついています。睡蓮の風景、花咲く庭、ポピーの丘、いちごの草原、夏のひととき。並べてみると、色の一覧というより、夏の景色の一覧に見えてきます。
たとえば1171番の睡蓮の風景は、原語ではlummelampiといいます。lummeが睡蓮、lampiが小さな湖を指す言葉です。フィンランドには湖が無数にあり、その水面に睡蓮が浮かんでいる風景は、あの国の夏そのものだと言っていいでしょう。
名前を知ってから色を見ると、見え方が変わります。青と緑と白の段染めが、水面と葉と花に分かれて見えてくる。色の情報は何も増えていないのに、目に入ってくるものが変わります。
そして、編み上がったあとも名前は残ります。番号は忘れても、どの景色を編んだかは覚えているものです。
どの景色を編むか、そこから選んでみてください
ナッレ ケサの5色を見る
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














