毛糸の名前には、その土地の言葉がそのまま使われていることがあります。意味を知らないまま呼んでいて、あとで調べて驚くこともしばしばです。
フィンランドのノヴィータに、ヴィオラ メッツァレトキという段染めソックヤーンがあります。メッツァレトキとは、フィンランド語で「森のお散歩」という意味だそうです。
いい名前です。ただ、よく考えると妙な話でもあります。この糸を手にした方は、まず外に出ません。椅子に座って、何時間も動かないことになります。散歩というより、居座りに近いかもしれません。
居座れる理由があります。1玉100グラム、400メートル。大きめの靴下でも1玉で足ります。1玉を編み切ったところが、そのまま一足の終わりになる。途中に区切りがないので、ここでやめようという合図も来ません。
色は5色。秋の森、森の池、針葉樹の森、白樺の森、ブルーベリーの森。名前だけ聞くと本当に外を歩いていそうですが、誰も外に出ません。
素材はウール80パーセント、ナイロン20パーセント。英国羊毛を含み、フィンランドで紡がれています。推奨針は3.0ミリ、40度の洗濯機洗いにも対応します。
どの森に居座るか、決めてみてください。
森のお散歩の5色を見てみる
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














