バッグといえば、中にポケットがいくつかあり、仕切りが一つか二つ。多くの人にとって、その程度の構造が当たり前かもしれません。ところが、世の中にはときどき「その発想はなかった」と思わせるものが現れます。三段重ねのバッグを初めて見たときが、まさにそうでした。
三段、と聞くと、どこか日本のお重を思い浮かべます。料理を重ねて持ち運ぶあの仕組みは、美しさだけでなく実用性にも優れていて、昔から人が使い続けてきた知恵です。バッグの世界でその構造を見かけることはほとんどありませんが、一度目にすると、ああ、これは理にかなっていると感じます。
上段にはすぐに取り出したいものを。中段には日常の小物を。そして下段には少し大きさのあるものを。三つの層が重なっているだけで、動作が静かになり、探す時間が消えます。バッグの内部に仕切りがあるのとは違い、三段の構造は「混ざらないこと」が視覚的に理解でき、持つ人の感覚にも自然に馴染みます。
編み物をする方なら、糸、針、ノーションといった道具の種類の多さはよくご存じだと思います。同じバッグに入れるとすぐに迷子になってしまうものも、三段に分けるだけで落ち着いた配置になります。探さないということは、それだけで心に余白が生まれるものです。
こうした三段構造のバッグが、いま少しずつ注目を集めています。バッグは基本的に一つの空間に“詰める”という考え方が主流でしたが、重ねるという発想は新しく、日常の動作を見直すきっかけにもなります。お重の知恵が、まったく違うカテゴリーで生きているような感覚です。
この三段構造を、レザーの質感で上質に仕上げたバッグが「ビーターン」です。編み物用として作られていますが、実際には日常のさまざまな場面で使える構造になっており、道具を大切に扱いたい方に向いています。形だけでなく、重ねるという考え方そのものが魅力といえるかもしれません。
三段重ねのバッグという、少し意外で新しい発想。暮らしの中で“探す動作”が減ると、一日の流れが静かに変わります。興味のある方は、こちらで詳細をご覧になれます。


















