おはようございます、細野カレンです。
週の流れがゆるやかにほどける土曜日の朝は、なんとなく気持ちもふわりと軽くなる気がします。まだ何をするか決めていなくても、それもまた楽しみのひとつ。静かにおはようございますをお届けします。
毛糸の名前には、ときどき「知っていると嬉しくなる秘密」が隠れていることがあります。たとえば、Schoppel(ショッペル)の靴下糸シリーズ「アドミラール R ドルック」。この “R” は、一体何の略なのか、ご存じでしょうか?
どうやら、この “R” は、ドイツ語で色模様のリピート(繰り返し)を意味する “Rapport” のことを指しているのではないか、と思うようになりました。実際、R ドルックはどれも、ある一定の幅で縞模様がくり返されるよう設計されており、作り目を64目ほどにすると、その模様が最も美しく現れるといわれています。
そしてもう一つの言葉、「ドルック(Druck)」は、ドイツ語で“プリント”のこと。つまりこの毛糸は、繰り返し模様がプリント染めされたアドミラールシリーズというわけです。
段染め毛糸、と聞けば、きっと多くの方がイメージを持っていらっしゃると思います。実際、このR ドルックも、分類としてはその“段染め”のひとつに含まれます。でも、この糸を手にしていると、「ああ、これはちょっと違うかもしれない」と感じたくなる瞬間があるのです。
それは、プリント染色による模様のリピートが、意図された設計として現れてくるという感触。色がただ変わるのではなく、糸の中に“計画された流れ”が宿っているような印象です。その流れを考えているのは、Schoppel社の現社長、ゲアハルト・ショッペルさん。ブランドの名前を背負いながら、今も染色パターンの構想に関わっているそうです。そう思って眺めてみると、見慣れた縞模様にも、どこか“人の手”が感じられるような気がしてきます。
今回ご紹介するのは、R ドルックの中でも、思わず手が止まる3つのカラーです。

まずは「1745int グラス ローズ ターコイズ」。名のとおり、草のようなグリーンと、ふわっと優しいローズピンク、そこにターコイズのアクセントが加わります。どこかボヘミアンな空気をまといながらも、淡さと鮮やかさのバランスが絶妙で、編むたびに気持ちがほぐれていくような組み合わせです。

つづいて、「1863magic クレオパトラ」。深みのある紫、濃い青、そして重厚なゴールドのような色が交互に現れ、名前に違わぬ印象的な存在感。古代の装飾品を思わせるような色彩の連なりは、たとえば黒やグレーの装いにも、ぴりりと個性を添えてくれそうです。

そしてもうひとつが、「1977magic ブルー ハウス」。少しくすんだ青とグレーを基調に、ところどころに軽やかな水色やスモーキーなピンクが流れ込みます。静かでありながら、どこかストーリーを感じる色の移ろい。冬の午後、コーヒーを片手に小さな靴下を編んでいるような、そんな光景がよく似合う色です。
              






              
              
              
              
              
              
              
              
              
              
          
          
          
          






