こんばんは、細野カレンです。
編み物における「定番」とは、ただいつも手元にあるというだけではありません。思い立ったときに迷わず手が伸びる安心感と、さまざまな作品に応えてくれる応用力。今回ご紹介する「サンネス ガルン シス」は、そんな“頼れる存在”として長年愛されてきたソックヤーンです。
ノルウェーの大地に根ざしたこの毛糸は、色を見た瞬間にその背景を感じさせてくれます。どこか懐かしくて、でも野暮ではない。「2325 ハニー」のやわらかな黄色は、春先の光の記憶を思わせますし、「4513 ダスティー ピンク」には素肌のようなナチュラルさがあります。一方、「4672 ブラックベリー シャーベット」の瑞々しさは、果実のつめたさをそのまま封じ込めたようです。
しっとりとした質感に驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。その理由は、原材料にあります。シスに使われている羊毛は、実は地球の裏側、ウルグアイから届いたもの。マノスやマラブリゴなど、あの柔らかい糸の故郷です。
ウール80%、ナイロン20%という配合も、ソックヤーンとしての信頼感を支えています。ふわっとした触り心地と、毎日に耐える丈夫さ。だからこそ「定番」なのです。
靴下だけでなく、ベビーウエアやレイヤード用のセーターにも。デイリーに使えて、見た目もやさしく、気持ちのいい仕上がりに。そんなふうに編み物の時間が「確かな楽しみ」になる一本です。
心より、
細野カレン