編み物を仕上げる最後の手前で、多くの方が同じ場面に出会います。身頃と袖をとじ合わせようと、とじ針に毛糸を通す。ところが先がばらけて、何本かだけが穴をくぐり、残りがはみ出してしまうのです。
毛糸は空気を含んでふっくらしているからこそ、あたたかく、やわらかい糸です。ただ小さな針穴の前では、そのふくらみが少しだけ邪魔をします。通りにくいのは、毛糸がいい毛糸だからともいえます。
海外には、針穴の代わりにやわらかい輪を付けたとじ針があります。ニットプロのとじ針3本セットもそのひとつで、しずく形のナイロンの輪が付いています。輪が形を変えるので、太い糸や凹凸のある糸も通しやすいと、海外の販売店は説明しています。
イギリスの通販サイトには、ふつうのとじ針では穴が見えにくかった方が、この針なら通せて、寒くなる前にウールの靴下を3足繕えたというレビューもありました。
アルミ製の3本は太さも色も違うので、糸に合わせてどれを使うか、ひと目で選べます。仕上げの手前の小さな足止めが、ひとつ減る道具です。
次にとじ合わせる日のために。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














