出かける前に、今日はどのバッグにしようかと選ぶ。あの時間を楽しみにしている方は多いと思います。ところが編み物の道具となると、その楽しみはあまり語られません。布の巾着か、大きな手芸バッグか。選択肢がそもそも少ないからかもしれません。
デンマークのブランド、ムーのレザーノットバッグ「ジャナ」は、その空白を埋める1つです。編みかけを入れて持ち歩くための小さな本革バッグですが、見た目に編み物用品らしさがありません。革の色つやも形も、そのまま外へ持って出るバッグです。
特徴は、2本のハンドル。クロスさせると手首に巻きつけて持てるようになります。腕に掛けたまま、中の糸や針に手を伸ばせる形です。待ち時間や移動中に、編みかけの続きへ手が伸びます。
大きな作品向きではありません。靴下や小物の編みかけをひとつ連れて出るくらいの大きさです。そのぶん身軽で、革は使うほど手になじみ、自分だけの風合いに変わっていきます。
当店にも、まだ使う機会がないけれど眺めているだけで気分が上がる、というご感想が届いています。道具入れでそういう言葉が出てくるのは、珍しいことです。
袋を持って出る日と、バッグを持って出る日。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














