編み針を選ぶとき、多くの方が見ているのは素材です。木か、金属か、竹か。針先の形や、コードのしなやかさを比べることもあります。けれど、軸の断面の形を比べたことのある方は、あまり多くないかもしれません。
丸い針は、どこを持っても同じ丸さです。指が引っかかる場所がないので、針が動かないように、こちらが少しだけ力を加えて押さえることになります。その力は小さいので、ふだんは気づきません。
編み進めるうちに握る位置がずれていく。目を数えようと手を止めたとき、針が指の中で向きを変えている。そうしたことは、たいてい自分の持ち方の癖として片づけられます。長く編んだから仕方がない、と。
ニットプロのジャドール・キュービックスは、軸が四角い断面になっている木製の針です。四角いということは、指が触れる面がある、ということです。面があると、針は指の中で回りにくくなります。強くつまんで固定しなくても、いま針がどこを向いているかが手に伝わります。
丸い針に慣れた方ほど、最初は違いを感じるはずです。持ち方そのものが変わるのですから、当然のことです。合う合わないもあります。
けれど、素材を替えてもメーカーを替えても、手元の落ち着かなさだけが残っていたのなら。替える場所は素材ではなく、形のほうだったのかもしれません。
この違いを知っている方は、もう手元にお持ちです。
執筆:細野カレン(なないろ毛糸 店長)














