アイスランドの暮らしを象徴するニットは、厳しい自然とともに育まれてきました。風を遮り、冷えを防ぎ、日々を支えるために生まれた糸。その背景を思い浮かべながら手に取ると、ロピ ホースバンドの存在感がより鮮やかに感じられます。
指先に伝わるのは、ざらりとした力強さ。細い糸の繊細さとはまったく異なる、粗野な手触りがこの糸の個性です。編み進めるほどに「確かなものを形にしている」という実感が積み重なっていきます。
この糸は100gで130m。一般的なソックヤーンが100gで420mあることを考えると、圧倒的な太さです。目に見えて編み地が立ち上がり、厚みのある布が生まれる過程は、軽やかさでは味わえない満足をもたらします。編み上がった靴下やセーターは、丈夫で長く使える安心感を備え、日常に寄り添う存在となります。
そして、粗野な質感の奥にはしっかりとした温かさが宿っています。風を遮り、体を守り、使うたびに「手の仕事が暮らしを支えている」という誇りを与えてくれる糸。アイスランドの厳しい自然の中で育まれたニット文化を思えば、このワイルドさは単なる荒々しさではなく、確かな優しさにつながっていると感じられるはずです。