こんばんは、細野カレンです。
少し歩くと汗ばむ日も増えてきましたが、室内に入ると、クーラーの風がひんやりと心地よく感じられる季節になりました。
そんな午後、micono神戸元町本店でお客様とお話ししていたときのこと。ある方がふと、こんな言葉を口にされました。
「わたし、年中ウールなんですよ」
その言葉がとても自然で、肩の力が抜けていて、なんだか編み物の本質に触れたような気がしました。
いま着るために編むのではなく、いま編みたいから、ウールに触れる。暑さの季節にも、静かに針を動かす方のために、こんなキットをそっとご紹介させてください。
── Oslo Hat(オスロハット)キット
良質なウール100%、単色でまとめたすっきりとしたデザイン。かぶったときの形に、ほどよく空気が含まれるように編めるので、重くならず、見た目も心地よい仕上がりになります。
ウールのあたたかさよりも、やわらかさを味わうという感覚。この季節のウールは、冷房の効いた部屋で手にすると、少しだけ“ほっとする質感”を感じることがあります。乾いた麻やシルクとはちがう、ふんわりと密度のある柔らかさが、手をゆっくりと落ち着かせてくれるようです。
かぶるために編むのではなく、“編んでいる時間そのもの”を心地よく過ごすために。オスロハットは、まさにそんな動機に応えるキットです。
「なにかを仕上げたい」よりも、「なにかを編んでいたい」そんな気持ちのときに、ちょうどいいサイズとシルエット。春の光の中でも、静かに針が進んでいくはずです。