おはようございます、細野カレンです。
風が少し乾いてきましたね。日差しも柔らかく、糸を手に取る時間が心地よくなる季節がやってきました。
今日は、ドイツのアトリエ ツィトロンから届いた「ラヴリー(Luv und Lee)」という毛糸をご紹介します。この名前を聞いたとき、ほんの少し胸が温かくなった方もいらっしゃるかもしれません。そんなふうに、どこか人の心をやさしく撫でるような糸なのです。
「撚り(より)」という言葉に、どんな印象をお持ちでしょうか。
多くの毛糸は、複数の糸を撚り合わせて太さや強度を生み出しています。それはまるで人と人が支え合って強くなっていくような、そんな構造です。でも「ラヴリー」は少し違います。
この糸は「シングルプライ」、つまり撚りを加えずに一本のまま仕上げられています。撚られていないからこそ、繊維の柔らかさや空気を含むような軽やかさがそのまま指先に伝わってくるのです。撚り目のかたさに敏感な方や、糸の「ふんわり」をそのまま感じたい方には、何よりの贈り物のように感じられるかもしれません。
でも、そんなやわらかな糸を扱うのは難しいのでは……と感じる方もいらっしゃるでしょう。実際、シングルプライは編み目が不安定になりがちとも言われます。けれど「ラヴリー」は、その不安を裏切ります。繊細な編み目の美しさと、しっかりとした形の保ちやすさ。この相反するものが静かに共存しているのです。
そしてもう一つ、大切なことがあります。
肌に触れたとき、まったくちくちくしません。ウールの自然なままの風合い。そのやさしさが、お子さまの帽子やショールにも選ばれている理由です。
ラヴリーには、色の魔法はありません。どの色も、自然の光に溶けるような落ち着きがあり、それがまたこの糸の魅力です。少しの間、派手な色や編み込み模様から離れて、シンプルな形の中に息づく手仕事のやさしさに戻ってみませんか。
春の乾いた風と、この糸の柔らかさは、きっとよく似合います。
よろしければ、詳しくはこちらをご覧ください。
青空の下でそっと広げたくなるような毛糸です。
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