忙しい毎日の中で、ほんの少しだけ自分の時間を持つことが難しいときがあります。そんな朝に、余っていた糸をくるくると巻いてみると、不思議と気持ちが落ち着いていくのを感じます。
はじめは形も不揃いですが、手を動かしているうちに糸が卵のようなかたちに整っていきます。その過程には、何かを完成させる達成感とは違う、心の中にゆっくりと静けさが広がるような満足があります。
糸を巻く時間は、特別な準備も道具もいりません。指先がリズムを覚えていくうちに、余白のような時間が生まれます。それは、暮らしの中で少し立ち止まり、呼吸を整えるひとときでもあります。
朝の静けさの中で、糸を巻く音だけが小さく響く。そんな瞬間に、自分の中のリズムが少し戻ってくるように感じます。
糸と手があれば始まる、小さな心の整え方を、あなたの朝にも。