ここ数年、編み物の世界では“軽さ”が静かに注目されています。重厚なセーターも魅力ですが、軽やかで空気を含んだ一枚を求める声が増えてきました。そんな流れの中で、改めて見直されているのが、細いモヘヤ糸です。
ノルウェーの老舗メーカー、サンネス ガルンが手がける「ティン シルク モヘヤ」は、その代表的な存在です。ティンとはノルウェー語で「細い」という意味。その名の通り、25gで約212mという繊細な設計になっています。
モヘヤ57%、シルク28%、ウール15%。天然素材のみを使用し、ノルウェー国内で生産されています。ミュールシングフリーのウール、南アフリカの動物福祉基準を順守する牧場からのモヘヤ、厳選されたシルク。背景が明確な素材構成も、この糸の信頼につながっています。
モヘヤというと、扱いが難しいという印象を持つ方も少なくありません。しかし、この糸は細さを活かした設計が特徴です。単独で編めば、空気をまとったような軽い仕上がりになります。2本取りや3本取りにすれば、ボリュームを持たせた一着に。さらに、他の糸と引き揃えることで、質感に奥行きとやわらかさを加えることもできます。
細い糸は、制限が多いのではなく、むしろ選択肢が広がる存在です。
実際に、このティン シルク モヘヤを使用したキット作品も展開されています。
カーディガンやベスト、レース模様のプルオーバーなど、仕上がりの表情はさまざまです。単色で静かにまとめたものもあれば、引き揃えによって奥行きを出したデザインもあります。作品例を見ることで、この糸の軽さや透け感、質感の広がりが具体的にイメージできます。
軽く、通気性があり、季節をまたいで着られる一枚。重さで温かさを出すのではなく、空気を含むことで心地よさをつくる。そうした発想は、これからの編み物において一つの軸になりつつあります。
まずは、色と素材の背景をご覧ください。糸そのものを知ることから、新しい一着が始まります。



















