
編み図の中に、ときどき出てくる短い針
交差編みやケーブル模様の編み図を見ていると、見慣れない形の短い針が描かれていることがあります。両端がとがっていて、長さは十センチほど。ものによっては、真ん中がへこんでいます。これが縄編み針です。
交差編みは、目の順番を入れ替えて編む技法です。先に編むほうの目を、いったんどこかへ預けておく必要があります。その預け先になるのが、この短い針です。
なくても編めてしまう道具です
正直に申し上げると、縄編み針がなくても交差編みはできます。五本針の一本を使う方、かぎ針を使う方、鉛筆で代用される方もいらっしゃいます。長く編んでこられた方ほど、ご自分のやり方をお持ちです。
それでも専用の針が作られ続けているのは、目を預けているあいだの安心感が違うからです。
預けた目が、その場にとどまります
交差編みでいちばん気を遣うのは、目を預けているあいだです。編み地の手前か向こう側に垂らしたまま、次の目を編みます。このとき、代用の道具は表面が滑るため、預けた目が端まで移動してしまうことがあります。
縄編み針は両端がとがり、預けた目がその位置にとどまるように作られています。手を止めて席を立っても、戻ってきたときに同じ状態で待っています。
まっすぐな形と、へこんだ形
縄編み針には、大きく二つの形があります。まっすぐな棒状のものと、中央がへこんだものです。
まっすぐな形は、目の出し入れが速く、動きに引っかかりがありません。手の中で扱い慣れている方や、交差の回数が多い模様を編む方に向いています。
へこんだ形は、預けた目が中央のくぼみに収まり、動きません。目を落とす心配を減らしたい方や、交差編みを始めて間もない方には、こちらのほうが気楽です。
どちらが優れているというものではありません。最後は手の好みで決まります。両方をお持ちで、模様によって持ち替えている方もいらっしゃいます。
太さは、編んでいる針と同じか少し細めを
縄編み針は、いま編んでいる針と同じ太さか、少し細めのものを選びます。細めを選ぶのは、預けた目が広がらず、編み戻したときに目の大きさが変わりにくいからです。
本体より太いものを使うと、預けた目が引き伸ばされ、交差した部分だけ目が大きく見えることがあります。
素材で変わる手ざわり
金属は表面がなめらかで、目の出し入れが軽く済みます。木は手に持ったときの温度が近く、糸とのあいだに適度な抵抗が生まれます。細い糸を扱う方は金属を、太い糸やすべりやすい糸を扱う方は木を選ばれることが多いようです。

二本で足りる、標準的な組み合わせ
ニットプロの縄編み針 アルミニウムは、2.50mmと4.00mmの二本組です。細い糸から中細まで、多くの作品がこの二本で足ります。金属ならではのなめらかさで、目の移動が軽く進みます。

ドイツのアディから、同じ二本組
アディの縄編み針も、2.5mmと4.0mmの二本組です。編み針で長く知られたドイツのメーカーがつくる、アルミ製の一組です。

太い糸のための、7.0mmと10.0mm
交差編みは、細い糸だけのものではありません。極太の糸で大きな模様を編むときには、それに見合った太さの縄編み針が必要になります。アディのスパークリングは、7.0mmと10.0mmの二本組です。

木の、まっすぐな一組
ニットプロのシンフォニーウッドは、まっすぐな形の木製セットです。色を重ねた樺の木を使い、手に持ったときの軽さと、指先に伝わる温度が特徴です。

まっすぐな形が、三本
ランタンムーンの木製縄編み針も、まっすぐな形です。3号、6号、9号に相当する三本組で、天然木を磨き上げた表面が、繊細な糸を傷めずに目を送ります。太さを選べますので、作品に合わせて持ち替えられます。
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