店頭やオンラインで糸を選ぶとき、色が揃っている光景に出会えるかどうかは、実は大きな違いになります。気になっていた色が欠けているだけで、選ぶ時間の流れは少し変わります。反対に、すべてが並んでいるときは、それだけで視界が広がります。
今回、インドのシンフォニーヤーンズのソックヤーンが、ほぼ全色揃った状態で入荷しました。手染めならではの発色と、ひと玉ごとにわずかに異なる表情を持つシリーズです。普段は輸送や生産のタイミングの関係で、ここまで色が揃うことは多くありません。
このシリーズの特徴は、段染めと単色が同じ世界観で展開されていることです。段染めは、編み進めるごとに色が移り変わり、編地に自然なリズムを生み出します。色の境目がくっきりと出るものもあれば、ゆるやかに混ざり合うものもあり、完成までの過程そのものが楽しくなります。
一方で単色は、色をまっすぐに置くための存在です。鮮やかな発色のものもあれば、深みのある落ち着いた色もあり、作品全体の印象を引き締める役割を担います。段染めの縁取りに使ったり、かかとやつま先に組み合わせたりと、選び方次第で表情は大きく変わります。
段染めか単色かを選ぶのではなく、両方を並べて見比べられることに、今回の入荷の価値があります。色が動く楽しさと、色を置く安心感。そのどちらも、いまなら同じ画面の中で確かめることができます。
ソックヤーン選びは、完成後の姿を想像する時間でもあります。次の一足をどんな雰囲気にするのか、どんな色を足すのか。色が揃っているいまは、その想像をゆっくり広げられるタイミングです。















