同じ模様を編んでも、仕上がりがどこか似てしまう。編み地が平らに見えてしまう。そんな経験はありませんか。
糸の構造が違えば、作品の印象は変わります。シングルプライは一本のまま仕上げた糸で、繊維がふわりと開き、目の際に自然な陰影が生まれます。そのため、同じ図案でも表情が動き、手の痕跡が作品に映り込みます。
アトリエツィトロンのラヴリーはエクストラファインメリノ100%。肌に柔らかく、軽やかな落ち感が出るのが特徴です。強い光沢ではなく、やさしい反射で面に奥行きを与え、ショールやカーディガンなどのアイテムにぴったりです。
一方で、シングルプライは長い平編みで斜行が起きやすく、摩耗の強い靴下には不向きです。しかし、ガーターやシード模様を取り入れれば斜行を抑えられ、首元や肩にかける小物では糸の魅力が存分に発揮されます。
作品に自然な揺らぎを加えたいとき、ラヴリーは大きな力を発揮します。エクストラファインメリノならではの柔らかさと、シングルプライ特有の陰影をぜひ体験してみてください。