こんばんは、細野カレンです。
連休最後の夜。どこか落ち着かないような、けれど少しほっとするような気配が、街のあちこちに漂っている気がします。
神戸には多くの観光客で賑わう「南京町」と呼ばれる中華街があります。
ゴールデンウィーク中は、国内外からの観光客で連日大にぎわい。赤い提灯の列が陽を浴びてきらめく風景は、どこか異国に迷い込んだような華やかさがありました。
店先の湯気やざわめきが立ちのぼるその景色は、ほんの少し前のことなのに、
いまはもう、遠く静かに思い出のように感じられます。
提灯といえば、あの赤く丸いかたちにどこか懐かしさを感じるのは、きっと日本の祭りにも通じるものがあるからでしょう。
そして、アジア各地にもまた、似たようなあかりの文化が脈々と息づいています。
たとえば、ベトナムの町並みに揺れるランタンの光。
夜の空にそっと浮かぶその姿は、飾りではなく、人の営みに寄り添う静かな灯りとして受け継がれてきたものです。
ランタンムーンという名の編み針が生まれたのも、そうした土地でした。
籠や家具を編んできた職人たちが、木を削り、形を整え、手になじむ道具を生み出していく
その仕事の延長に、この黒檀の針たちは静かに置かれています。
時代の流れの中で、ベトナムの伝統工芸品は静かに姿を消しはじめていました。
籠も、家具も、街の風景から少しずつ薄れていったのです。
その灯を絶やしてはいけない。
そう願ったひと組の夫妻がいました。
彼らが選んだ道は、意外にも「編み針」でした。
手でつくるもの、日々に寄り添うもの、そして何より――
職人たちが自分たちの手で、無理なく続けていける仕事であること。
伝統の技が、静かに形を変えて受け継がれた瞬間でした。
遠い国で生まれたそんな逸品が、いま、手の届く場所にあります。
そのことに、少しだけ静かな驚きと喜びを感じてもらえたらと思います。
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