こんにちは、細野カレンです。
今日は、とても重要なことをお伝えしなければなりません。
この編み針、決して買ってはいけません。
なぜなら、こんなにも厄介な道具は、なかなかお目にかかれないからです。
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錆びます。
銅は、空気や手汗の影響ですぐに変色し、くすんだ風合いになってしまいます。新品の美しい輝きはすぐに消えてしまい、少し放置すれば、酸化が進み、表面に鈍い色の膜が現れます。常に磨き続けるのも手ですが、それでも完全に新品の状態を保つことは不可能です。 -
金属臭がします。
手で触れるたびに、独特の金属のにおいが指に残るでしょう。でも、それだけではありません。手汗と反応することで、さらに強いにおいが生まれ、知らず知らずのうちに手全体に広がります。気づけば指先が金属臭に染まり、編み物をするたびに気になるでしょう。敏感な方には、かなりのストレスになるかもしれません。 -
スルスル滑りません。
金属製の編み針といえば、糸がなめらかに滑るのが一般的ですが、これは違います。メッキされていないため、表面は微妙にざらつき、糸が引っかかることも。編み進めるたびに抵抗を感じ、スムーズな動きとは程遠いでしょう。特に、滑りのよい糸を使うとストレスが倍増。思うように進まない編み目に、イライラすることもあるかもしれません。 -
コードのしなやかさは期待できません。
柔らかいコードを好む方には向いていません。編み始めてすぐに、予想外の硬さを感じるでしょう。曲げたまま放置しても形が戻らず、編み目に干渉することも。コードが絡まりやすく、スムーズに編むどころか、むしろ編みづらさを感じるはずです。 -
経年変化が激しい。
時間とともに変色するのは仕方がないことですが、均一に変わるわけではありません。触れる部分と触れない部分で色ムラが生じ、見た目がどんどん変わっていきます。気を抜くと、最初の状態とは全く異なる風合いに。新品の輝きが失われ、使い込むほどに個性が出るというより、ただ古びてしまう印象を受けるかもしれません。
ここまで読んで、「こんな編み針、使いづらそう」「絶対に買いたくない」と思われたなら、それが正しい反応です。
この編み針には、誰もが求める「快適さ」がありません。
…でも、ちょっと待ってください。
ここまで挙げた“欠点”を、もう一度見直してみましょう。
錆びる? いいえ、それはあなたの時間が刻まれる証。
銅は、あなたが使い込むほどに、あなただけの色合いに変わっていきます。新品のままではなく、あなたの手の動きや編み方に寄り添い、少しずつ育っていく。まるで、古い革小物が風合いを増していくように、使い込むほどに味が出る。時間が経つほどに、あなたとともに成長する輪針なのです。
金属臭? それは本当に“におい”でしょうか?
実は、これは“香り”と捉えることもできます。天然の素材が持つ、素朴で独特な匂い。木や革、真鍮のアイテムがそうであるように、人工的に作られた無機質なものにはない「本物の存在感」がそこにあります。触れるたびに感じるこの香りが、あなたの編み物時間を特別なものにしてくれるかもしれません。
滑らない? それは「コントロールできる」ということ。
一般的な金属針はスルスル滑りすぎて、編み目が安定しないこともあります。でも、この輪針は違います。糸の動きを繊細に操り、意図したとおりの編み目を作りやすくなる。手が覚える感覚で、糸をしっかりとホールドしながら編み進めることができるのです。あなたが主導権を握る、手応えのある編み物体験。
コードが硬い? それは「しっかりと支える力がある」ということ。
頼りない柔らかさではなく、確かな安定感。長時間の編み物でも、ふにゃふにゃと頼りなくなることなく、編み手の動きをしっかりとサポートする。慣れてしまえば、むしろこれこそが心地よいと感じるかもしれません。
そして、経年変化? それこそが、この輪針の最大の魅力。
あなたが編んだ時間、触れた回数、そのすべてがこの輪針に刻まれていきます。どんなに丁寧に使っても、新品のままではいられません。あなたがどんなふうに使ったのか、どんな毛糸を編んできたのか、それが針に現れます。言い換えれば、この輪針は世界にひとつだけ、あなたのために変化する道具なのです。
ここまで読んで、「なるほど」と思ったあなた。
では、最後にひとつ質問をさせてください。
あなたは、完璧に整えられた便利な道具だけが好きですか?
それとも、使い込むほどに自分のものになっていく、ちょっとクセのある道具が好きですか?
もし前者なら、この輪針はおすすめしません。
でも、もし後者なら…
世界でも珍しい、銅製の編み針。あなただけの編み針に育てる楽しみを、味わってみませんか?
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