さあ、素材が出揃ったところで全部混ぜたら春夏ソックヤーンの出来上がり!
とはいかないんです。
実際に、この配合のソックヤーンはヨーロッパ広しといえど、僕の知る限りではショッペルのブーツくらいしかありません(ただし、ブーツはウールの混紡率が44%と非常に高いため、ストレッチ素材無しでもウールの伸縮性だけで十分です)。
何が足りないのでしょうか?
そう、ストレッチ素材が足りないんです。
各素材を見てきたように、ウール以外の素材は伸縮性が全くないか乏しいのです。
一見、ナイロンは伸縮性があるように思えますが、あるのは「弾力性」であって伸び縮みする「伸縮性」ではありません。
コットン混紡ソックヤーンは、使っている素材のなかで唯一伸縮性があるウールの配合を極端に減らしていますから、このままだと伸縮性に乏しい毛糸になってしまうんです。