ミュールシングって知ってますか?
細野淳一が投稿
2022年09月06日
今朝は、少しディープな話題になることをお断りしておきますね。
このメルマガでは、いつも明るい話題をお伝えするよう心がけていますが、世界中の皆さんが笑顔で編み物を続けられるように、ぜひあなたにも知っていただきたいことがあります。
こんな書き方をすると「何様のつもり」という批判が必ず来るのですが、僕が知っていることで、もしあなたが知らないことがあればお伝えすべきと思うだけで他意はありません。
反対にあなたが知っていることがあれば、ぜひ教えてくださいね。
そうしていただければ、僕はすごくうれしいです (*´꒳`*)
さて、本題です。
羊のミュールシングって知ってますか?
ネットにも多くの情報が掲載されていますので、詳しくは調べていただくのが良いかと思いますが、以下に簡単に説明しますね。
ミュールシングとは、羊の臀部や陰部へのハエの寄生を防ぐために、子羊の臀部の肉を皮膚ごと切り取ってしまう処置のことです。
この処置をすることで、切り取った部分には毛が生えずツルツルの状態になりますが、人間の身勝手な残酷極まりない行為であることは言うまでもありません。
ほとんどの場合、麻酔も行われず、またその後の治療もせずに放置されているようです。
今では、多くの毛糸メーカーがミュールシングへの反対を表明していて、羊毛の生産者もミュールシングを行わなくなりつつあります。
たとえば、Lana Grossaは、同社のホームページで2020年以降に発売された毛糸についてはミュールシングフリー(ミュールシングをしていない)であることを保証しています。
なないろ毛糸で扱っている他のメーカーも「ミュールシングフリー」に積極的に取り組んでいますが、世の中のすべての問題と同じで、問題を短時間に一気に解決することは現実的に不可能です。
したがって、現時点ではすべての毛糸がミュールシングフリーであるとは限りませんし、どの毛糸やどのシリーズがそうであるかについて完全に見分けるような方法は残念ながら用意されていません。
ですので、あなたには、ミュールシングという問題が存在していて、生産者やメーカーの多くが廃止に向けて取り組んでいるという事を知っておいていただきたいのです。
そして、今後業界や異端メーカーに誤った動きが見られたら、その時には何らかの形であなたの意思を表明してください。
毎度毎度長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
ここまでお読みいただいたあなたに、ミュールシングフリーでしかもメリノ(オーストラリアは未だにミュールシングを禁じていない国なのでミュールシングフリーメリノは貴重です)のウールにコットンを配合した春夏ソックヤーンをご紹介しましょう。
色や柄がエレガントなだけではなく、メーカーの姿勢もエレガントだからできる大変美しいソックヤーンです。
細野淳一
執筆者